愛隣地区は、大阪市西成区の東北に位置し面積0.62km2に約30,000人が居住する典型的な人口過密地帯であります。居住者のうち約21,000人の人々は、労働者として産業経済の発展に寄与していますが、その多くが日雇い労働者であるうえに、過密人口から派生するいろいろな問題が重なり、過去の暴動事件が象徴するような複雑な問題をかかえています。
もちろん官公庁はじめ関係者において、それぞれこれが改善に努力してきましたが、もっとも重要な医療施設が不足し、疾病や労働災害などによる多数の治療対象者がありながら、社会保健未加入のため、あるいはその他の社会的、経済的理由などもあって、必要な医療を受けることが困難な状態でありました。
当大阪社会医療センターは、こうした社会的な要請にこたえ「健康で明るい町づくり」に緊急かつ重要な役割をはたすため、昭和45年7月1日に設立されました。したがって当センターの使命は、社会医学的な実態の把握に努め、広く医療を必要とする人々に対し、必要かつ迅速な医療を行い、地域住民の保健と福祉の増進をはかり、明るい町づくりの推進に寄与することを目的とするものであります。